「パリの灯」

- 生活&社会 -

登録番号:SL25-X03-018

Monthly Column (2025年6月25日号)

リンドバーグが大西洋(ニューヨーク→パリ)単独無着陸飛行に成功したのは1927年5月、いまから98年前のできごとです。この冒険飛行には当時ニューヨークの実業家からの2万5千ドルの賞金が懸けられており、すでに3人が失敗していました。

リンドバーグは、郵便飛行のパイロットとして経験を積んだうえでの挑戦とはいえ、前人未到の取り組みを前に機体の選定から調整をはじめきめ細かに飛行計画を練りました。そして十分な燃料を積むために機体からパラシュートや無線機さらに燃料計まで取り外し、僅かなサンドイッチと1リットルの水だけでニューヨークの飛行場を飛び立ちました。飛行時間は33時間30分、距離5千8百キロメートル。もちろん一睡もできません。夜になり霧が出るとリンドバーグは星を頼りに飛ぼうと高度を5千フィートまで上げ、薄い霧を透して星を眺めながら飛んだといいます。

これまでに経験のない新規事業を立ち上げ軌道に乗せようと奮闘する経営者の皆さまの姿と重なるように感じられます。